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5月24日プレ企画、しました。

遅ればせながら、足立先生の講演会のレポートです。

5月24日(土曜日)『未来のエネルギーを考える〜自らの足元から』@京エコロジーセンターでした。


20名程の方と共に、小水力発電の勉強会を致しました。
参加いただいた皆様、どうもありがとうございます。

お迎えしたのは、伏見工業高校で教鞭を執られている足立善彦先生。
2007年くらいから伏見工業高校の生徒さん達と一緒に、小水力発電の設置と、それから期待される地域活性化の活動を精力的にされています。

まずは、現在のエネルギーの使い方について、先生の考え方をお聞きました。

・大昔は、エネルギーは里山から来ていた(食料・水など)
・今の私達は、自分(地球)が持っているエネルギー以上のエネルギーを作り使っている。
・エネルギーを借金するのは仕方ないことだけど、少し考えたり工夫をすれば、変えられる。

先生の言葉で言うと「1万円しか財布にしかないから1万円しかお金は使えないはず!」

確かにそうです…。
借金してエネルギーを使っていることをしっかり意識するところから始めないといけないですね…(^_^;)


先生は、実際に小水力発電機を設置する場所(わかりやすく以下“里山”と表現します。)で、講演をされることが多いそうです。(今回のような街中での講演会はあまりないそうです)

そこで、先生が感じられたことは、そこに住んでいる人達が「なにも不便を感じていない」ということなんだそうです。
一方で、先生は自分から「水車作りませんか?」と水車を売り込みに行くわけではなく、里山の皆さんから「たすけて~~」と言ってきはるのだそうです。
しかも、最後の最後に声が掛かるそうです。

ただ、先ほど書いた「なにも不便を感じていない」のに、なぜ「たすけて~」なのか??

確かに「なにも不便を感じていない」。
しかし、一部の人(たとえば自治会長さんなど)は危機感を持っていて、いろんな学者さんや、教授などに「自分の里をどうにかしたい」と相談しているそうなんです。
そして、里山の人に色々と話をしてもらうそうです。

でも、それは時間が掛かったり、お金が掛かったり…。


里山と都市部の考え方はずいぶん違うんだ…と言うのが私の感想です。
たとえば、都市部なら「3年を掛けてこのプロジェクトを成功させる」とか物によっては10年とか…それが普通だと感じます。
でも里山では、1年や半年で長いと感じる人のほうが多いようで、「そんな先のこと言われても…」と話がまとまらないようです。

足立先生が行ってるプロジェクトは「出来るだけ短時間で自分たちの力で成果を出す」が基本になっていると感じました。

【出来るだけ短時間で】
足立先生が作る水車は50センチ程度の自転車リールの水車から3メーターの大きな水車までさまざまです。
最初は渋っていた人が、たった2ヶ月で大きな水車を作り上げたそうです。
そして、それが自信になってその人の意識が変わるそうです。

【自分たちの力で】
よそ者が水車を作って設置するのでは意味がない。
足立先生は、ホームセンターなどで手に入るものや、場所によっては里山にある間伐材などを使って、里山の住人自ら作ることを重要にしています。
業者が売り込んでくる高価な水力発電機じゃなくても、自作で出来て、しかも安価なら「じゃぁ、次は~」と次の目的が見えてくるのだと思います。
それは、自分たちで作ることによって、修理・管理がし易いことはもちろん「愛着が沸く」という言葉がありますが、自らの手で作ることで、水車に必要な水路の清掃なども、当然の行動になるそうです。

【成果を出す】
結果が目に見えると人は努力が報われ、さらに上を目指すものです。
テストの点数や、試験合格なんかが代表例ですね。
足立先生のプロジェクトでも、たとえば、水車で作った電力量を可視化することはもちろん、水車で作った電気を祭のライトアップに使ったり、害獣駆除の電気柵や、公民館などの電力などにしたり。身の回りの電気を自分で作ることがそのまま結果に繋がっているんですね。

ただし「風車を作りたい」だけでは、足立先生は動かないそうです。

と、文章ばかり打っていても伝わりにくいと思うので、写真を交えてレポートしようと思います。

写真01
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足立先生が風車プロジェクトを立ち上げるきっかけになったのは、地域からの声でした。
伏見工業高校の近くにある稲荷山などは不法投棄が問題になっていました。
その不法投棄の実態を目の当たりにした足立先生は生徒と共に、まずは清掃活動をおこなったそうです。
そして、道を整備し、ベンチや看板などを設置をされました。
ここで環境整備をする事で、地域のつながりがうまれ、活性化につながると考えられたそうです。
そして、2年後の2007年から本格的に水車プロジェクトを始動されたそうです。
調べれば、伏見以外の土地でも同じように山林の活用、整備などが必要なところが多々あったそうです。

写真03
03



水車のお話を聞く会だったので、もちろん水車の仕組みもちゃんと伺いました。
人間が出来ることは限られていて、その場所にあった風車を作ることだけです。
そのために、流量を測って風車の大きさや、水を流す高さなどを考えられるそうです。
ただ、先生がおっしゃるのは「どれだけ計算しても、相手は自然。うまく電気が作れても自然が持ってる力の【50%】取れれば成功。だから、こちらも【50%】で挑めばいい。」って事でした。
「水が多い日も少ない日ある、反対からの風力が強くて水車が回らないときもある」
…たしかにそうです。
これに関しては結構意外でした。
【どれだけ効率よくとるか真剣に考えて最善を尽くす】と言うのが、こういった自然エネルギーに関しての勝手なイメージでした。
だから、特定の技術を持った人にしか出来ないのだと思っていました。(実際に先生も「水車に関しては素人、誰でも設計図と材料があれば作れる」とおっしゃいます。)
でも、実際に足立先生のお話を聞くと「がんばって考えるけど向こうが50%なら、こっちも50%でよい」に納得です。
今回参加された方の中にも「確かに…」と思われる方が多かったのではないか…と勝手に感じています。

写真04
04


水車には2つの種類があるそうです。
密閉型水車と開放型水車。
私が知っていたのは開放型水車(車輪型の水車)でした。
ちなみに、密閉型水車は中で水に圧力を掛けて、出力を大きくする水車だそうです。
ただ、ゴミや枝、枯れ葉などが流れてくる屋外で使うのには適していないそうで、設置してもメンテナンスなどが面倒で、足立先生は「おすすめはしません」とおっしゃっていました。
足立先生が作られている水車は、すべて開放型水車になります。

写真10
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写真に写っているのは、持ち運び可能な、開放式水車の螺旋型の水車になります。
私は初めて見たのですが、螺旋水車自体はかなり古くから使われている水車の技術なんだそうです。
写真では少しわかりにくいと思いますが、間伐材で作っています。
水車と言えば、車輪型が一番有名だと思いますが、メンテナンス、設置場所の確保(螺旋の場合は用水路)など、先生お勧めの水車だそうです。
特に間伐材で作っている水車はどの地域でも人気のようです(間伐材なら手に入るし、間伐材を生かせるため)

写真11
11



里山に水車が適している理由をお聞きしました。
まずは設置する用地・必要な水が確保できる点を上げられました。
農地として使われていた(使われている)土地には、必ず水を引くための用水路があり、その用水路に供給される水量は一定が保たれているため、水車を設置する上で確認する水量が確保しやすく、権利に関してもさほど複雑ではないため、里山には水車が適しているそうです。
また、用水路に付加価値をつけることで、休耕田などの用水路でも、美しく保つ努力がうまれ、それによって地域活性に繋がるんですね~(ふむふむ…φ(゜д゜)


写真12
12



先生の考えは先ほど述べましたが、再度おさらい。
足立先生のポリシーとしては「水車を作って終わり」はだめ。
その先にある目的意識を明確に持つことによって、より短期間に、そして高い意識を維持させることで次のステップ(自ら率先して地域活性化する力)に繋がるとおっしゃいます。
自らの手で作ったものの成果を自分たちで体験することが大切ということですね。

写真14
14



また、水車は地域の防災などにも力を発揮します。
里山と呼ばれる地域は、道ひとつが寸断されるだけで孤立してしまう地域が多数あります。
また、私はまったく知らなかったのですが、そういった地域での停電はしょっちゅうあるというのが現状らしいです。
末端(里山)への電力供給を切ることによって、心臓部(都市部)に与えるダメージを最小限に抑える。
こういった事実をしっかりと知らないといけないと改めて思いました。
実際に、里山で停電したときに消防隊やレスキューの人たちが水車で作った光の下で作戦会議をされた話を伺いました。
写真に写っている場所も「こんなところに人が居るの?」って場所にある建物で、そこでも水車で電気を作っています。
蓄電システムを活用して、徐々に水車で補える電気を増やしているそうです。


写真15-1
15-1



写真15-2
15-2


足立先生が生徒を連れて里山でワークショップを開かれたときのお話も聞きました。
まずは目的を決めて、それに向かってどう行動していくか勉強会をするそうです、そして先生が実際に水車の力を見せて、次に自分たちの手で作る。
これがワークショップまでの流れです。
ちなみに、高校がないところに高校生がいくと、土地の方はみんなテンションがあがるそうです!(人のエネルギーも生み出すプロジェクトなんですね!)
そして、短時間で出来る自転車リールを使った水車を作られるそうです。
話を聞くだけでなく、自らの手で作ることによって「では、次は害獣よけの電気柵を!」「公民館の電力を補いたい」という次の意識も出てくるのだと思います。
座学も大切ですが、こうして体験することで意識が変わるんですね。
まさに、百聞は一見にしかず!ですね。

写真17
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最後に蹴上の琵琶湖疏水に設置されている(現在撤去中、7月2日より再設置予定)水車のお話を聞きました。
Youtubeで「京都岡崎蹴上・琵琶湖疏水で回る螺旋水車」と検索すると実際に動いている水車を見ることが出来ます。
結構な迫力なので、是非ご覧ください。
(足立先生がご自分でアップされいるので、他の水車も見ることができます。)

水車プロジェクトですが、高校生の学習とのマッチングが良いそうです。
5年も6年も掛かるプロジェクトではないこと、ものを作り実際に生かせること、普段では会話することのない地域の人と関わりあえること。
さまざまな要素があり、それによって生徒の意識もやはり変わるそうです。
先生がおっしゃった言葉で、印象的だったのは、「社会学習は小学生ではよくするんです、見学に言ったり体験したり…でも中学ではほとんどしないんです。空白域です。だから中学で忘れちゃうんですね。」という言葉でした。
私自身、小学校の頃は他国籍の学校との交流や、ボランティアや見学など結構行った記憶がありましたが、中学ではあまり記憶にないです。

多感な高校時代にこういったプロジェクトに参加できる生徒は恵まれていると思います。
彼らが大人になったときに、幸せが実感できる世の中であるように、今がんばらないとな!と思いました。

写真18
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もちろん、水車だけで日本の電力がまかなえるわけではありません。
いろいろな技術を駆使して、力を合わせることが重要です。
ハイブリット発電の開発や実施は各地で行われています。
京都・伏見(深草地域)でも風力と太陽光のハイブリットの電力実験が行われています。
地域で必要なエネルギーを作り、管理することで生まれるコミュニティ。
そこから地域活性化につながる人のエネルギーを作ること、それが水車プロジェクトなんだと感じました。


足立先生は、「自分たちが修理できない技術は危険!原子力なんて正にそうだ!」とおっしゃっていました。
今、私たちは無意識に電気を使っているのかもしれません。
対価はお金であり、この電気がどこで、なにで作られているか知りません。
幸いなことに、今現在、日本の原子力発電所は稼動していません。
このまま廃炉を希望します。
電気を作るためだけに、原子力を使うことが果たして正解なのでしょうか?
足立先生の話を聞いていると、私たちの周りにはしっかりエネルギーが存在しているのだと感じます。
ただ、回りに存在するエネルギーに気づいていなかっただけなのかもしれません。
気付き活用することができるのであれば、遠くで作られた電気をただ意識もせず消費する世の中は、近い将来なくなるかもしれません。
実際にドイツではずいぶん前からエネルギーを使用者がどの事業者から購入するか自由に選択できる制度があります。
(外遊するならこういった事をちゃんと学んで帰ってきて欲しいものです)
エネルギー政策に関しては、まだまだ発展途上な日本だと思います。
技術がある(他国への技術協力などはかなりしている)のに、それを使おうとしない国は、私たちの暮らしをどう思っているのでしょう?


今回の講演会を通して、自然エネルギーに対する考え方がすこし変わりました。

自然はきまぐれで、その力を半分くらい頂く。
だから、こちらも半分の力でがんばる。

↑これが一番インパクトがあった気がします。

自然エネルギーにも問題はたくさんあります(使用済み太陽光パネルの処理問題など…)
だからこそ、ひとつのエネルギーに頼らない事が大切なのだと思います。
ひとつのエネルギーで作れる電力は小さくても、ほかのエネルギーで作ったものを合わせればいい。
当然のことなのですが、今までの日本ではその意識もなかったのかもしれません。
意識を変えていくこと、それが重要なのだと学びました。

当日寄せられた感想をいくつかご紹介。

・いろんな具体例をスライドで見せて頂き興味深く拝聴できました。
・目的があれば地域の力を結集できることがよくわかりました。
・“自分で使う分は自分で作る”なんてことを実現できればすばらしい。力まず肩の力を抜いてすすめていく、みならいたいと思います。
・巧みな話術で1時間があっという間。
・さすがに現役の高校の先生です!発信力がすばらしいです。そして行動力、実行力も!
・「水車に停電なし」「見える形で」「真剣に考えてはダメ」など印象に残る話しでした。
・自分たちの地域でも考えて行けるか…?



原発の問題から、エネルギーの問題。そこからさらに地域社会の問題、さらに日本の未来について。
考える事はどんどん広がって行くようです。

ちなみに、ちゃっかり先生の生徒愛もご紹介。
写真5
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写真6
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写真7
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写真8
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技術系のコンペに出品して大賞やらグランプリをかっさらっていらっしゃるご様子(*^_^*)
とても自慢気に話されてました☆
こうして、生徒も目に見える成果がでるとどんどん成長できるんでしょうね。

足立先生、今回は本当にありがとうございました。
これからも「単に脱原発!」じゃなくて、いろいろな勉強を皆さんとしていけるように、ふしみ原発ゼロパレードの会は日々頑張っていこうと思っています。
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Author:ふしみ原発ゼロパレード
<次回パレード>9月9日 土曜日を予定しています。ただいまふしみパレードはサマータイム。5時スタート。


京都・伏見で原発ゼロをめざして毎月歩いています。
「Parade or No Nukes ?」
ぜひ、ごいっしょに!!

<次回パレード/企画>
8月のパレード、無事終了しました。
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